1/2成人式の写真を「はずい」と断られた|10歳が写真を嫌がる理由

旅館の部屋の窓辺で、手をついてうつむいている小学生の後ろ姿 写真

撮ろうと言ったら、断られた

息子は、小学4年生、10歳で一人っ子です。

最近は、20歳の半分をお祝いする「1/2成人式」なんてものがあり、記念に写真を撮りに行こうか?と誘ったところ、

「嫌だ」でした…。

大好きなスポンジ・ボブを観ながらだったこともあり、聞いたタイミングが悪かった。まぁ「面倒くさい」くらいだろうと思っていました。

なぜ嫌なのか、聞いてみたら

理由を聞くと、「はずい」だそうです。

あ、恥ずかしいことね。

知らない人がいっぱいいる前で、写真を撮られるのが「はずい」。

たぶん、一人っ子だから

確かに私自身も一人っ子で、気持ちはわかります。「はずい」というより「不安」です。

初めて会う人や場所で、「不安」な気持ちを同調してくれる仲間がいれば大丈夫なんだけどね。例えば兄弟姉妹や、同年代の友だち。同調仲間がいれば「不安」は半減します。

私的に、一人っ子あるあるです。

そのあとで、自分がしてきた仕事のことを思い出しました。

25年、私が写真で見ていたのは5つだけ

私は25年ほど、写真をチェック、修正する仕事をしていました。1日に数千枚です。

その仕事で見ていたことは、はっきり決まっていました。5つです。

・写真データ破損の有無
・写真が明るい、または暗すぎる
・意図しない表情や写り込み
・服装が乱れていないか
・センシティブな内容

これだけです。

私の仕事は「良い写真を選ぶこと」ではありません。「使えない写真を見つけること」でした。

ボケている、ピントが合っていない、といった写真の品質のことではありません。手元に届く写真は、プロが撮ったものばかりではありませんでした。そういう写真には、プロが表現できない、なんともいえない「味」があります。

でも、一般的に「これはダメでしょ」という写真は落とす。

通すか、落とすか。25年、その判断をしていました。

1日8000枚くらいを、1、2秒の間隔で見ていました。連続して見ていると、自然と違和感に気づきます。

ただ、その5つとは別に、ときどき目に入るものがありました。

集合写真で、ひとりだけ完全に下を向いている子。

手で顔をふさいでいる子。

何回か見ました。そのたびに、この子は写真が苦手なんだろうな、と思いました。

でも、当たり前ですが、それを私が修正することはできません。下を向いている子を、こちらに向かせることはできません。

そして、そういう写真は5つの基準では落とせません。だから、そのまま採用です。下を向いたまま、採用。

うちの息子が「はずい」と言ったとき、あのとき下を向いていた子たちのことを、久しぶりに思い出してしまいました。

嫌がる子でも、撮れる方法はあるのか

調べました。

嫌がる理由は、写真そのものではないことが多いようです。よく挙がっていたのは、この3つでした。

  • 知らない場所に行くこと
  • 知らない大人に「はい笑って」と言われること
  • 着たことのない服を着せられること

つまり、嫌なのは写真ではなく、撮影という「行動」のほうということになります。

そう考えると、スタジオで撮る方法は、うちの息子には向いていません。上の3つが全部そろっているからです。

家や近所の公園にカメラマンが来て、いつもの服のまま撮ってもらう方法もあるようですが、私はまだ使っていません。 使ってもいないものを「おすすめ」するつもりはないので、今後、頼むことがあれば、そのときに書きたいと思います。

それも息子に聞いてみました。スタジオじゃなくて、公園でいつもの服のまま撮るなら?

「はずい。だって友だちに見られたら『はずい』じゃん」

だそうです。

今年は撮らない、でもいっか。

結論として、今年は撮らないことにしました。

本人が嫌がっているんだから、しゃーない。

ただ、何も残さないことにしたわけではなく…。

正面を向いて笑っている写真だけが、写真ではないから。後ろ姿でも、手元だけでも、10歳は10歳です。 レゴで遊んでいるときの手、マンガを読んでいるときの背中、寝ているところ。そういうものなら、息子は嫌がりません。

テーブルで木製パズルを並べる、大人と子どもの手元
テーブルで木製パズルを並べる、パパと息子の手元

そう考えて、スマホを開きました

そういう写真なら沢山ある。いや、あり過ぎてストレージ量パンパン。

数えたら、10,800枚ありました…。

一枚も、紙になっていません。

ここで、また仕事のことを思い出しました。

25年間、私が仕事で見た写真には、共通点がありました。全部、使われることが決まっていた写真だったということです。撮った中から選ばれて、印刷される写真だけが、私の手元に届いていました。

いまスマホの中にある10,800枚は、撮りっぱなしです。

撮るだけ撮って数だけが増えて、直後はちゃんと撮れているか確認して、あとはその撮影したことも忘れて。選ぶという行動が減ってしまいました。だっていつでもスマホを開けば見られるから。

息子に撮影を断られたことより、私自身のほうが問題かもしれない、と思いました。

このズボラな性格(泣)

スマホはいつか壊れるかもしれない。機種変更でうっかり消してしまうかも。そう考えると、20年後に息子が見返せるかは保証されていません。

だから、まず10枚選びます

代わりに、たまっている中から10枚選んで、紙の写真にしてみようかな。

選ぶ基準は、25年やってきたものがそのまま使えます。家の写真なら、この3つで足ります。

・暗すぎないか
・変な表情になっていないか
・余計なものが写り込んでいないか

上手いか下手かは、見なくていい。 私も25年、見ていませんでした。この3つを通ったものは、全部「使える写真」です。顔が写っていなくてもいいし、ちゃんとした写真じゃなくてもいい。レゴで遊んでいる手でもいい。

選ぶだけなら、今日できるよね(自分自身に言い聞かせ)。紙にするのも1枚10円もしません。撮影の予約より、ずっと簡単です。

やってみて、どうだったかは次の記事に書きます。25年、写真仕事をしてきた人間が、スマホで撮影した写真を初めて紙にしたらどうなるか。 正直に書きたいと思います。


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