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『とりかえっこ』 作 さとうわきこ 絵 二俣英五郎 ひよこがいろいろな動物と鳴き声をとりかえっこするお話です
ひよこがお散歩にいきます。『ぴよ』
途中で出会ったねずみさんと鳴き声をとりかえっこします。『ぴよ』『ちゅう』
次はぶたさんと、とりかえっこ。『ちゅう』『ぶう』
かえるさんと・・
いぬさんと・・とりかえっこ
怖いねこさんに襲われそうになるけど、いぬさんの声のおかげで助かります。
ちゃっかり、ねこさんの声もとりかえっこ
最後は、かめさんととりかえっこして家に帰ります。
かめさんの声になって帰った我が子を見てお母さんは・・・。というおはなしです。
次々と声を交換していくなんて、現実ではありえないけれど、できたら楽しいだろうな。おはなしとしては定番の、繰り返しを楽しみながら、ゆったりと読める絵本です。
ひよこと言えばかわいくて弱々しいイメージですが、このひよこは好奇心旺盛で怖い物知らずです。
出会った動物と次々、声を交換していきます。声を交換した我が子をみるそれぞれの動物親子の驚いた表情と反応が面白いです。
途中、襲ってきたネコを犬の鳴き声で追い払い、しかも勝手にネコの鳴き声を交換するひよこのたくましさ。
そして最後はまさかの、かめさんとの鳴き声の交換。かめの鳴き声って・・・?
この絵本ではかめの鳴き声は『む』と表現されています。かめの憮然としたあの表情はまさに『む』。
『む』といって帰って来た我が子にお母さんがかけた言葉とお父さんの表情がなんとものんきでほっこりします。
言葉は少なくシンプルなのですが、その分、描かれている景色や動物たちの表情から語りかけてくるものが多く、ひとつひとつの場面をゆっくりじっくり、絵でも読みたくなります。
蜘蛛やカタツムリ、てんとうむし、カマキリ、アリ、みのむしなどのたくさんの昆虫がとりかえっこの様子を見守る目線や表情が、あたたかみのある絵でユーモラスに描かれています。野の草花、木の実などもさりげなく、でも変化をもってていねいに描かれています。
大人になってからこの本と出会い、大好きになりました。読むたび新しい発見があり作者がていねいにいろんな仕掛けで子ども達を楽しませようとしてくれているのが分かります。時代は変わっても長く愛されるのはやはりこういう絵本だなと思います。
赤ちゃんから年長さんくらいまで、読み聞かせから自分で読んだり人に聞かせたり・・と成長に合わせて長く楽しめる絵本です。